当直・移動・育児の合間に本が読めるようになった話|Kindle Paperwhiteを買ってよかった理由
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読みたい本はたまっているのに、読む時間がない——というより、読もうとすると邪魔が入る生活をしている。
消化器内科医10年目で、大学院・育児・臨床を掛け持ちしている。当直は月2〜3回だが、その前後でリズムが崩れる。大学院では論文も読まなければならない。帰宅すると子どもが待っている。通勤電車は乗れるときだけで、乗れないときもある。
そういう生活で、紙の本を読もうとすると毎回なぜか失敗していた。
Kindle Paperwhiteを買ったのは、半ばやけくそだった。結果として、「なぜもっと早く買わなかったのか」という感想になった。
なぜ紙の本では続かなかったのか
本を読もうとするたびに、まず「本がない」問題にぶつかっていた。
当直室に読みかけを持っていくのを忘れる。電車に乗ろうとしたとき鞄の中にない。読もうと思ったときに手元にない、そのまま読まない——という繰り返しだった。
もう一つ、地味に効いていた摩擦がある。
「どこまで読んだっけ」問題だ。忙しいと読書が数日空く。久しぶりに本を開いても、しおりがなかったり、あっても前後のあらすじを忘れていたりする。そのたびに数ページ戻って「あぁそうだったか」から始まる。この手間が、思ったより読書を遠ざけていた。
Kindleにしてから、どちらの問題もなくなった。スマホと同じようにいつでも手元にある。開けば前回の続きから始まる。たったそれだけのことで、月に1冊読むかどうかだったのが、月3冊前後まで増えた。
スマホアプリではなくPaperwhiteを選んだ理由
スマホのKindleアプリで試した時期がある。一ヶ月もたなかった。
当直の「呼ばれるまでの時間」にアプリで本を開いても、LINEが来る。ニュースの通知が来る。気づいたらSNSを10分見ている——という状態になった。スマホは「何でもできるデバイス」なので、読書への集中が続かない。
Kindle Paperwhiteは、本を読む機能しかない。その潔さが、むしろよかった。
E-inkディスプレイは目への刺激がスマホと段違いに少ない。仮眠前に30分読んでも、目がしょぼしょぼする感覚がない。寝つきが改善したと感じている。就寝前はバックライトを暖色・最低輝度に設定するようにしてから、読んだあとスムーズに眠れるようになった気がしている。
防水仕様なので、濡れた手で触っても気を使わなくていい。子どもがいると何かと水回りで触る場面もあるので、これは地味にありがたい。
実際に使っているシーンと、何を読んでいるか
一番読んでいるのは、当直の「呼ばれるまでの時間」だ。完全に眠れるわけでもない。かといってスマホをダラダラ見ても翌日の調子が悪くなる。20〜30分の細切れで、1日の読書量としては15〜20分くらいになる。それが積み重なって月3冊前後になっている。
当直中に読むのは医学書ではなく、ほぼ小説かエッセイだ。仕事と関係ない世界に入れることが、脳の切り替えになる。臨床・大学院・育児でずっと「何かを考えている」状態が続くので、意識的に「何も考えなくていい時間」として読書を使うようになった。
電車でも読む。片手で持てて軽いので、吊り革に掴まりながらでも無理なく読める。
子どもを寝かしつけた後、暗い部屋でそのまま読む——これが一番ありがたかった。スマホより光が弱く、隣で寝ている子どもを起こしにくい。照明をつけ直すという物理的な摩擦もなく、そのまま続きが読める。
Kindle Unlimitedについて
同時にKindle Unlimitedも契約した。月額定額で対象書籍が読み放題になるサービスだ。
読みたい本がすべてUnlimited対象かというと、そうではない。新刊・人気タイトルは別購入になることが多い。ただ、「気になっていたけど買うほどでもないかな」という本を試し読み感覚で読み始め、そのまま最後まで読んだ——という経験が何冊もあった。月に少し読む量が増えると、Unlimitedの元が取れる感覚になってくる。
Paperwhiteと合わせて試してみる価値はある。
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正直なデメリット
漫画には向いていない。画面サイズが文庫本よりやや小さく、コマが読みにくいケースがある。漫画メインならFireタブレットのほうが合う。
PDFの取り込みは機能としてあるが、縦書きの論文や複雑なレイアウトは崩れることがある。論文PDFはiPadやPCで読むほうが現実的だ。読書用とPDF用は割り切って別デバイスで使い分けている。
本の購入はAmazonに依存する。楽天や他のサービスで本を管理したい人には合わない。
まとめ
「時間がなくて本が読めない」という状況の本質は、時間ではなく摩擦だった。
本が手元にない。どこまで読んだかわからない。通知が来る。暗くて読めない——これらをひとつひとつ取り除いたら、読める量が月1冊から月3冊前後に変わった。読書にかかる時間が増えたわけではなく、邪魔が減っただけだ。
忙しい生活の中で「脳が休まる時間をつくる」ための道具として、Kindle Paperwhiteは今のところ最もよく機能している。
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