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革靴の日や、当直で院内を歩き回った日は、夕方にはかかとがヒリヒリしている。靴擦れができてから絆創膏を貼る——この「できてから」の後手後手に、ずっとうんざりしていた。

そこで使い始めたのが、ニチバンのハイコロールだ。摩擦・ずれの軽減を目的とした、ハイドロコロイド素材の保護テープ。ただ、これは筆者は医師だが、その立場から一つ、強く伝えておきたいことがある。名前は似ていても、これは「傷に貼るキズパワーパッド」とは別物だ。そこを正しく理解して使うと、すごく便利な一本になる。

この記事でわかること
・ハイコロールが「傷の治療用」ではない理由
・キズパワーパッドとの決定的な違い(用途がまったく異なる)
・靴擦れが起きやすい場面での、予防的な使い方

ハイコロールとは——摩擦・ずれの軽減を目的とした保護テープ

ニチバン ハイコロールは、ハイドロコロイド素材でできた、摩擦・ずれの軽減を目的とした保護テープだ。25mm×5mのロール状で、貼りたい場所に合わせて好きな長さに切って使う。もともとは医療現場で、医療機器が当たる部分の皮膚保護などに使われているものだ。

  • 摩擦・ずれをやわらげる目的で使う:肌と靴の間に入って、こすれを受け止める役割がある
  • 好きな長さにカットできる:かかと・指・幅広い部位に合わせて使える
  • 長時間の貼付でも溶けにくいとされる:汗をかいてもへたりにくい素材

いちばん大事な注意:これは「傷に貼る」ものではない

ここが、筆者(医師)として個人的にいちばん伝えたい点だ。「ハイドロコロイド」と聞くと、多くの人がキズパワーパッドを思い浮かべる。だが、両者は用途が逆と言っていいほど違う。

  • キズパワーパッド滅菌された創傷被覆材。すでにできた傷を湿潤環境に保ち、治癒を促す目的で使われるもの
  • ハイコロール非滅菌の保護テープ。傷ができる前に、摩擦・ずれを軽くする目的で使われるもの

ハイコロールは非滅菌(未滅菌)のため、傷口や、破れた水ぶくれなど、皮膚が破れたところに直接貼ってはいけない。同じハイドロコロイドでも、傷の手当てに使う前提で作られていないからだ。すでに靴擦れができて皮がむけてしまったときは、ハイコロールではなく、滅菌された創傷被覆材(キズパワーパッドなど)を使うか、ひどければ医療機関で手当てしてほしい。

あわせて、皮膚が清潔で乾いた、傷のない状態に貼ること。皮膚トラブルがある場所には使わないこと。この線引きさえ守れば、ハイコロールは予防目的の道具として使いやすい。

だから、靴擦れが気になる日は「できる前」に貼る

ハイコロールの想定された使い方は、「靴擦れが起きやすい場所に、先回りして貼っておく」こと。新しい革靴をおろす日、長く歩くと分かっている日、いつもかかとが擦れる——そういうときに、擦れる前から貼っておく。

  • いつも擦れる場所を把握しておく:かかとの後ろ、小指の付け根など、自分の「擦れポイント」に
  • その部位の形に合わせてカット:ロールだから、かかとには長め、指には短め、と自由に切れる
  • 清潔で乾いた肌に、引っ張らずに貼る:伸ばして貼ると剥がれやすくなる

立ち仕事で歩き回る人にとっては、この「先回り」の発想が合いやすいと感じている。足元の疲れ対策としては、院内シューズ+インソールのレビューもあわせてどうぞ。

実際に使ってみた、筆者の感想

  • 薄くて目立ちにくい。靴の中で違和感が少なく、貼ったまま革靴も履けた
  • 筆者の場合は、剥がれにくかった。当直で動き回っても、夕方まで残っていた
  • 好きな長さで使える。形が決まった靴擦れパッドだとサイズが合わないことがあるが、ロールなら自由
  • 個人的には、先に貼る習慣がついてから、靴擦れで悩む場面が減ったと感じている

正直、ここはイマイチ

  • 「予防目的」と割り切る必要がある。傷ができてからでは使えないので、先に貼る習慣がいる
  • ロールなので、自分でカットする手間がある。すでに形が決まった貼るだけタイプが好きな人には一手間
  • 貼り方に少しコツがいる。引っ張って貼ると剥がれやすいので、最初は加減を覚えるまで慣れが必要

とはいえ、「予防目的の道具」と理解して使えば、どれも許容範囲だと感じている。出張や当直など、歩き回る日の持ち物としても便利で、出張バッグの中身にも入れている。

よくある質問

Q. キズパワーパッドと何が違うのですか?

A. 用途が逆だ。キズパワーパッドは滅菌された「創傷被覆材」で、できた傷の手当てに使うもの。ハイコロールは非滅菌の保護テープで、傷ができる前に摩擦・ずれを軽くする目的で使うもの。同じハイドロコロイド素材でも、想定された用途がまったく違う。

Q. もう靴擦れができてしまったら、貼ってもいいですか?

A. 皮膚が破れている傷には貼らないでほしい。ハイコロールは非滅菌のため、傷口に直接使うものではない。すでにできた傷には、滅菌された創傷被覆材(キズパワーパッドなど)を使うか、ひどい場合は医療機関で手当てを。

Q. どんな場所・場面で使えますか?

A. かかとや指など、靴で擦れやすい場所の予防に。清潔で乾いた、傷のない皮膚に貼るのが前提だ。新しい靴をおろす日や、長く歩く予定の日に先回りで貼っておく使い方が想定されている。

まとめ

ハイコロールは、靴擦れが気になる場面で「できる前」に、摩擦・ずれを軽くしておくためのテープだ。キズパワーパッドと同じハイドロコロイド素材だが、こちらは非滅菌で、傷の治療用ではない。この一点さえ押さえれば、立ち仕事や革靴のお供として使いやすい一本だと思う。

「できてから絆創膏」から、「擦れそうな日は先に貼る」へ。筆者は発想を切り替えてから、足元のストレスが軽くなったと感じている。傷ができてしまったときは、無理にこれを使わず、滅菌された創傷被覆材や医療機関へ——その線引きだけは、忘れないでほしい。

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最終更新:2026年08月

ABOUT ME
コンビニ医
消化器内科医2桁年目。胃腸・内視鏡・当直の話から、家事・時短・車・投資まで。忙しい人の暮らしを少しラクにする情報をゆるく発信。