その胸焼け、逆流性食道炎かも?消化器内科医が作った症状セルフチェックリスト
食後の胸焼け、喉のつかえ、なんとなく続く咳……。「気のせいかな」と放置していませんか?
消化器内科の外来をしていると、「先生、これって逆流性食道炎ですか?」という質問を毎日のように受けます。症状が多彩で自覚しにくいのが、この病気の厄介なところです。
この記事では、消化器内科医として実際に患者さんに確認している症状をもとに、セルフチェックリストを作りました。当てはまる数が多い人は、一度ちゃんと調べることをおすすめします。
逆流性食道炎セルフチェックリスト
以下の症状で、週に1回以上当てはまるものにチェックしてみてください。
- 食後に胸がじりじり焼ける感じがある
- 酸っぱいものや苦いものが喉や口に上がってくる感じがある
- 喉に何かつかえている感じがある・違和感がある
- げっぷが多い
- 夜中や明け方に咳が出る・声がかれる
- 食後に横になると症状が悪化する
- 前かがみになると胸焼けがひどくなる
- 就寝後に胸焼けで目が覚めることがある
チェック数の目安
- 0〜1個:今すぐ受診は不要。ただし症状が続くようなら要注意
- 2〜4個:逆流性食道炎の可能性あり。生活習慣の見直しを
- 5個以上:消化器内科への受診をおすすめします
ただし、チェック数が少なくても「症状が強い」「体重が急に落ちた」「飲み込みが困難」という場合は早めに受診してください。
逆流性食道炎とは?【消化器内科医が簡単に解説】
逆流性食道炎(GERD:胃食道逆流症)は、胃酸が食道に逆流して炎症を起こす病気です。
本来、胃と食道のあいだには「下部食道括約筋」という弁があり、胃の内容物が逆流しないようになっています。これがゆるむと、胃酸が食道に上がってきて粘膜を傷つけます。
日本人の患者数は増加傾向にあり、食の欧米化・肥満・高齢化が背景にあると言われています。「よくある病気」ではありますが、放置してよいものではありません。
放置するとどうなる?
「胸焼けくらい大したことない」と思う人も多いですが、消化器内科医としては放置を勧めません。
胃酸が繰り返し食道を刺激し続けると、食道の粘膜が胃の粘膜に似た状態に変化する「バレット食道」になることがあります。バレット食道は食道がんのリスク因子です。頻度は高くありませんが、長年放置することでリスクが上がります。
また、慢性的な咳・声のかすれ・睡眠障害など、胸焼け以外の症状で生活の質を大きく下げることもあります。
受診の目安とよくある質問
Q. 市販薬で対処してもいい?
症状が軽く、初めての場合は市販のH2ブロッカー(ガスター10など)やPPIで一時的に対処することはあります。ただし、2週間以上続く場合は受診を推奨します。胃カメラで炎症の程度を確認するのが確実です。
Q. 胃カメラは必要?
症状だけで診断することもできますが、胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)で食道の状態を直接確認するのがベストです。炎症の程度・バレット食道の有無・ピロリ菌感染の確認まで一度にできます。
「胃カメラが怖い」という方も多いですが、今は鎮静剤を使って眠った状態で受けることができます。気になる方はかかりつけの消化器内科に相談してみてください。
Q. 生活習慣で改善できる?
軽症であれば、以下の改善で症状が和らぐことがあります。
- 食後すぐ横にならない(最低2〜3時間あける)
- 就寝時に上半身を少し高くする
- 脂っこいもの・アルコール・チョコレート・コーヒーを控える
- 腹八分目を意識する
- 肥満がある場合は体重を落とす
ただし、生活改善だけで治るのは軽症のケース。症状が繰り返す場合は薬物療法が必要です。
まとめ
逆流性食道炎は「よくある病気」ですが、放置すると食道がんリスクにつながる可能性もある病気です。
セルフチェックで2個以上当てはまった方、症状が2週間以上続いている方は、一度消化器内科を受診することをおすすめします。胃カメラを受けることで、より正確な診断と適切な治療につながります。
「胃カメラ、痛いのかな?」と不安な方はこちらの記事もどうぞ。
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