大腸カメラ中に「あ、ポリープありますね」と言われた瞬間、たいていの方がおののきます。

「えっ、ポリープってがんですか?」「手術になるんですか?」——外来で毎日のように聞かれる質問です。

今回は、内視鏡医が検査中・検査後に実際に患者さんへ話していることを、そのまま書きます。

ポリープ=がんではない

まずここを押さえてください。ポリープが見つかったからといって、がんとは限りません。

大腸ポリープのほとんどは「腺腫」と呼ばれる良性のできものです。ただし、放置すると一部はがん化するリスクがあるため、見つけたら基本的に取ります。

検査中に「とっておきますね」と言われるのはそういう理由です。取ったあとに顕微鏡で調べて初めて、良性か悪性かが確定します。切除前の時点では、見た目だけで100%の判断はできません。

どんなポリープを取るの?

内視鏡医が切除を判断する基準はざっくりこうです。

  • 小さくても基本的には取る(過形成性ポリープと明らかに判断できない限り)
  • 典型的な過形成性ポリープはほぼがん化しないタイプで、経過観察になることがある。ただし鋸歯状病変など一部例外もあるため、見た目だけでの判断は難しい
  • 大きさ・形・表面の模様などを総合的に見て判断する

「小さいから大丈夫」とは必ずしも言えないので、見つけたら取るというのが現場の基本方針です。

切除後に気をつけること

ポリープを切除した後は、傷口がある状態です。以下の点を守ってください。

当日

  • 飲食は病院の指示に従う(数時間制限のことが多い)
  • 車の運転は禁止(鎮静剤を使った場合)
  • 激しい運動・重い荷物を持つのは禁止

切除後1週間程度

  • 飲酒禁止(出血リスクが上がるため、少なくとも1週間は控える)
  • 激しい運動禁止(同様に少なくとも1週間)
  • 刺激の強い食事は当日〜2〜3日を目安に避ける
  • 抗血栓薬(血をサラサラにする薬)を飲んでいる方は医師の指示に従う

切除後に最も注意が必要なのは出血です。切除した傷口から数日後に出血することがあり、特に1週間くらいは要注意です。血便が出た場合はすぐに受診してください。

次の検査はいつ?経過観察の間隔

「また来年来てください」と言う医師もいれば「3年後でいいですよ」と言う医師もいて、患者さんは混乱しますよね。

日本のガイドラインでは原則「3年以内」が基本線とされています。ただし最近はポリープのリスクに応じて間隔を変える考え方が広まっており、現場ではおおむね以下のような運用がされています。

切除したポリープの状態 次の検査の目安
腺腫が1〜2個・10mm未満・低異形成 3年後
腺腫が3個以上 または 10mm以上 または 高異形成 1年後
典型的な過形成性ポリープのみ(直腸・S状結腸の小型) 5〜10年後(通常間隔)
早期がんが見つかった場合 1年後(専門医と相談)

担当医から「次はいつ来ればいいですか?」と必ず確認してください。切除したポリープの種類・数・大きさによって適切な間隔が変わります。

結果が出るまでどのくらいかかる?

切除したポリープは病理検査に出します。結果が出るまで通常1〜2週間かかります(施設の混み具合によってもう少しかかることもあります)。

結果を聞くための外来受診が必要なので、検査後に予約を取っておくのを忘れずに。

まとめ

  • ポリープが見つかってもすぐがんとは限らない
  • 小さくても基本は切除する(切除後の病理検査で確定)
  • 飲酒・激しい運動は少なくとも1週間控える
  • 血便が出たらすぐ受診(特に1週間は要注意)
  • 次の検査間隔はポリープの種類・数で変わる(1〜3年が目安)
  • 病理結果は1〜2週間後に外来で確認

ポリープが見つかった=悪いことではなく、見つかってよかったと思ってください。取り除けば次のがんリスクを下げられます。担当医としっかり話して、次の受診の予定を決めておきましょう。

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コンビニ医
消化器内科医10年目。内視鏡専門医・大学院生・2児の父。 忙しい勤務医目線で「本当に使えるもの」「本当に正しい医療情報」だけを発信します。